秋の訪れを感じるこの季節、群馬県安中市にある「アプトの道」は、紅葉の絶景と歴史の趣が楽しめるスポットとして多くの人々を魅了しています。アプトの道は旧信越本線の横川〜軽井沢間の廃線跡を利用したハイキングコースで、特に秋には紅葉に包まれたトンネルや橋梁が絶景を作り出します。
横川駅からアプトの道の散策コースと見どころを写真でご紹介します。
アプトの道について
アプトの道は、旧国鉄信越本線の廃線跡を活用した全長約6kmの遊歩道です。名前の由来は、日本初のアプト式ラック式鉄道がこのエリアで採用されていたことにあります。アプトの道には国の重要文化財である旧丸山変電所をはじめ6つの橋梁と10のトンネルがあり、鉄道の歴史を感じながら遊歩道を散策できます。
アプトの道 紅葉の見頃
アプトの道では、廃線跡の遊歩道の両側の木々が色づき、トンネルを抜ける度に異なる紅葉の風景が楽しめます。また、遊歩道沿いにある碓氷湖やめがめ橋などは絶景の紅葉スポットとして知られています。
アプトの道の紅葉は、例年11月上旬から11月中旬頃にかけてが見頃となっています。
2024年 アプトの道の紅葉状況
2024年は紅葉の色づきが例年になく遅れていて、11月中旬に見頃となりました。ウォーカープラスによると、11月21日時点でアプトの道にある「めがね橋」の紅葉が見頃となっています。
最新の紅葉情報は、ウォーカープラスでご確認ください。
碓氷第三橋梁(めがね橋)の紅葉(群馬県) |紅葉名所2024
「アプトの道」沿い見どころ概要
アプトの道沿いには観光の見どころがたくさんあります。主な観光名所は以下の通りです。
- 碓氷峠鉄道文化むら
- 旧丸山変電所
- 峠の湯
- 碓氷湖
- めがね橋
- 熊ノ平
横川駅から順番に、1号~10号のトンネルを通り横川駅から熊ノ平まで歩くコースになります。
「アプトの道」ウォーキングコース見どころ
それでは、見どころ満載のアプトの道の散策路を写真で紹介していきます。
横川駅を出発
横川駅がアプトの道起点の最寄り駅です。横川駅へは、東京駅から新幹線で高崎駅へ、高崎駅からJR信越本線に乗り換えて30分ほどです。東京から1時間40分ほどで行けるため、アクセスよく日帰り旅行にぴったりの観光地になります。
横川駅からアプトの道起点に向かいます。横川駅は山に囲まれた自然豊かな場所にあり、散策前から周辺の山の紅葉風景が楽しめます。
看板にしたがって進んでいきます。
アプトの道(起点)
横川駅からアプトの道起点までは徒歩2分ほどです。
アプトの道のウォーキング開始です。左側には鉄道文化むらが見えています。鉄道文化むらには帰るに立ち寄ることにします。
観光案内所
アプトの道起点の近くには観光案内所があります。トイレは駅にもありますが、観光案内所の近くにもあるので散策前にすませておきましょう。
観光案内所でアプトの道ガイドを入手しました。
観光パンフレットは安中市のホームページからダウンロードすることもできます。
鉄道文化むらの鉄道車両
アプトの道から、鉄道文化むらの屋外展示スペースに展示されている鉄道車両が鑑賞できます。
少し離れたところにはクラシックなデザインの綺麗なブルーの車両が並んでいました。鉄道好きでなくても楽しめる美しい展示でした。
鉄道文化むら~旧丸山変電所
鉄道文化むらを通り過ぎてからは、次のポイントである旧丸山変電所まで30分ほど歩きます。整備された歩道は信越線横川~軽井沢間の上り線で、隣の線路は下り線を利用し現在はトロッコ列車が運行されています。
途中の紅葉する木々を鑑賞しながら旧丸山変電所まで歩きます。
旧丸山変電所
右側に旧丸山変電所が見えてきました。
丸山変電所は碓氷峠を行き来する列車に電力を供給するために明治44年に建てられました。レンガ造り建築の最盛期の建物で、国の重要文化財に指定されています。工場建築に近いため華やかさはありませんが、建物正面の出入口や側面には控えめながら装飾が施されていて、落ち着いた格調高い建築になっています。
丸山変電所は2棟の建物から成り、横川駅寄りの右側の建物は蓄電池室です。蓄電池室には、機関車が峠にかかるときに必要な電力を補うために312個の蓄電池が並んでいたそうです。
左側の建物は機械室で、発電所から送られてきた交流電気を直流電気に変えて、蓄電池室内の蓄電池と機関車へ送電していました。
旧丸山変電所の向かい側にはトロッコ列車のまるやま駅があります。
文化むら駅からとうげの湯駅行きのトロッコのみ途中で停車する駅になります。
旧丸山変電所~峠の湯
旧丸山変電所の次は、天然温泉峠の湯を目指します。約20分の道のりです。
落葉した黄色い葉っぱが歩道に敷き詰められていて、美しい秋の風景を満喫しながら散策できます。
10分くらい歩くと川があり、霧積川橋梁を渡ります。
ここからはゆるやかにカーブした道になっています。
線路の下をくぐると天然温泉峠の湯です。
碓氷峠の森公園交流館「天然温泉 峠の湯」・とうげのゆ駅
天然温泉「峠の湯」は、和風・洋風大浴場と露天風呂2カ所を備えた日帰り温泉施設です。2階が温泉施設になっていて、1階は入館無料です。レストラン、売店も入っているので、観光の拠点として活用できます。建物の外には公衆トイレもあります。
天然温泉「峠の湯」は横川駅から2.7km、碓氷湖までは1.1km、めがね橋までは2.1kmの場所にあります。
トロッコ列車の終点、碓氷峠の森公園交流館「とうげのゆ」駅があり、JR横川駅近くにある碓氷峠鉄道文化むらからトロッコ列車でのアクセスも可能です。
碓氷峠の力餅「玉屋ドライブイン」
碓氷峠の名物「力餅」が食べられる創業250余年の「玉屋ドライブイン」は、峠の湯のすぐ近くのアプトの道沿いに看板があります。
階段を上ると旧国道18号があり、道路を渡ったところが「玉屋ドライブイン」です。
「玉屋ドライブイン」ではつきたての柔らかいお餅をあんこで包んだ力餅が評判で、お食事もできます。
1号トンネル
アプトの道には、折り返しの熊ノ平までの間に1~10号の10のトンネルがあります。
「玉屋ドライブイン」を過ぎるとまずは1号トンネル。
中はレンガで造られたトンネルになっています。灯りが灯されていて明るく、足下も整備されています。
出口に近づくとトンネルの先の紅葉が見えてきました。
トンネルを抜けると黄金色の紅葉の景色が広がっていました。
第2橋梁・2号トンネル
1号トンネルと2号トンネルの間には第2橋梁。
なだらかな登り道を進みます。
2号トンネルの手前にはベンチがありました。
碓氷湖
アプトの道から少し道を外れて、碓氷湖に立ち寄ります。
坂道を下っていくと目の前に湖と紅葉する木々の絶景が目の前に広がります。
碓氷湖では湖の周りの散策路を一周しながら、真っ赤に色づいた木々が湖に映る美しい風景が楽しめます。
まとめ
紅葉シーズンのアプトの道を横川駅から碓氷湖までご紹介しました。自然と歴史の両方を堪能できるアプトの道は、秋の群馬旅に欠かせないスポットです。ぜひ一度足を運んでみてください。
↓ 次回は碓氷湖から先のめがね橋、熊ノ平をご紹介します。